尿失禁・骨盤臓器脱などの女性骨盤底疾患を主な対象とした女性のためのサイトです。

ブログ

患者さんとの出会い

今日午前は泉北の病院で外来診察でした。
予想以上に多くの患者さんが来られました。

近くの腎泌尿器科から膀胱瘤の患者さんで尿閉(自分でおしっこが出せない状態)のため尿道カテーテルを留置された方が紹介されて来られました。

このかたは数ヶ月前に知人に勧められて、私の前任の病院である大阪中央病院に私の診察を求めて行かれたそうです。私はもう転勤した後だったので、別のDrに診察を受け、まだ大丈夫ですと言われ次の診察を予約されて帰られたそうです。

最近急に病状が悪化したため、近くのクリニックにかけこんで、尿道カテーテルを留置してもらい、その先生の紹介で今日の外来に来られたそうです。

やっと私の診察を受けることができたと、たいそう喜んでおられました。これから検査と、TVM手術を希望されました。「もう一度手術で治療した後、喜んでもらわないといけない」と責任を感じます。

医師と患者との出会いは、一期一会、縁というものを感じるできごとが時々あるものです。

文責 竹山

Posted by 2011/02/04

女性泌尿器科百科(6)女性泌尿器科の疾患ー直腸がんや子宮がんなどの手術の後遺症ー

膀胱には尿を貯める蓄尿という機能と貯まった尿を排出する排尿という機能があり、この両方がうまく機能することで尿の排泄が生活に支障なく行われる。

これらの機能にはいくつかの神経が関わっていて、これらの協調作用が必要とされる。

直腸がんや子宮がんの手術に際してこれらの神経が大なり小なり損傷を受けると排尿がうまく行かなくなる。

このような膀胱機能に関係する神経の障害による排尿障害を神経因性膀胱と呼ぶ。

(1)症状

尿の排泄がうまく行かないと残尿が多量に残るようになり、いずれ慢性尿閉(いつも膀胱に尿が満タンに貯まっていて自分では排尿することができない)の状態となる。尿が溢れて尿道からちょろちょろ漏れる溢流性尿失禁も経験するようになる。膀胱内の圧が上昇するために腎臓で作られた尿が膀胱に流入することができ無くなる。こういう状態が続くと腎盂や尿管が拡張する水腎症という状態になり、放置すると(腎前性)腎不全になり生命にも危険が及ぶことになる。

(2)治療

治療の目的はまず腎機能の保護を第一とする。膀胱が高圧にならないように抗コリン薬を用いて膀胱を柔らかくして尿が貯まるようにする。その上で残尿が多ければ、自己導尿(カテーテルを用いて膀胱を空にする)を行う。

これにより水腎症の悪化を防止することができる。

Posted by 2011/02/04

女性泌尿器科百科(5)女性泌尿器科の病気ー膣のハンモックのゆるみによるものー

女性泌尿器科の疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?

女性泌尿器科のキーワードが骨盤底と骨盤底のハンモックであることをお話ししました。

骨盤底のゆるみによる疾患にはつぎのようなものがあります。

デュランシーという婦人科医は膣のハンモックを支持の方向と様態により(レベル1)、中部(レベル2)、下部(レベル)に分けた。それぞれの支持とその不具合によってもたらされる病気についてお話しします。

膣ハンモックの説明

(1)レベル1 上部膣管は仙骨子宮靱帯、基靱帯などと呼ばれる子宮を骨盤内に支持している靱帯によって上の方向に引っ張られています。これらの靱帯が緩んだり切れたりすると、子宮が下垂したり、膣の壁を被って体外に脱出したりします。これを子宮下垂や子宮脱と呼びます。

(2)レベル2 中部膣管は骨盤底の左右の内骨盤筋膜腱弓という筋肉の融合した組織に付着して横方向に引っ張られてハンモックを形成しています。 この膣ハンモックが破綻すると膀胱が脱出する膀胱瘤や直腸が下垂する直腸瘤になります。膀胱が膣から下垂すると「我慢することが難しい強い尿意」を経験する過活動膀胱の症状を高率に来します。

(3)レベル3 下部膣管は会陰膜と呼ばれる構造と癒合しています。尿道を支持する構造を形成していて、これが破綻すると尿道がぐらぐらになり、尿道過可動と呼ばれるタイプの腹圧性尿失禁となります。せきやくしゃみをした時や、座っていて立ち上がる拍子にもれる、下りの坂道を下るともれるなどの症状が出現します。

Posted by 2011/01/28

思いがけない出会い

こんにちは、なりちゃんです。先週寒さの話をいたしましたが、その後も寒い日々が続いております。布団から出るのがとても辛い時ですね。

 日々の仕事に追われておりますが、その中には腹の立つことや困ったことなども多々あります。今日も少し困った事態になっていたのですが、対処に追われてイライラしていたときに思いがけない出会い(まだ出会っていませんが・・・)ありました。我が泉北藤井病院には毎週1回だけ診療に来てくれる先生がいらっしゃるのですが、その先生からちょっと会いたいとの連絡を受けました。こういう御話をいただくときは、おおむね困った案件なのですが、今日の内容は、私の昔の友達が近くの病院で勤務していて久しぶりに会いたいというものでした。大学の時にはずっと同じグループとして実習や実験をしていた友人なのですが、卒業とともに大阪へ引っ越してしまい会えないまま10年が経過しておりました。その友人が私の噂を聞いて、共通の知り合いである先生を通して連絡をしてきたのです。まさか広い大阪で共通の知り合いがいるとは露知らず、思わず二つ返事で了解してしまいました。

 狭い日本とは言いますが、実際に大阪で知り合いに出くわすことは今までありませんでしたが、やっぱり日本は狭いものだと実感した瞬間でした。ちなみに今週末は東京にて学会があるのですが、その時も久しぶりの友人と再会する予定があり、非常に楽しみにしています。

皆様は同じような経験をされたことはないですか? そんな経験をお持ちの方は是非教えていただければと思います。ではまた来週~

Posted by 2011/01/26

小青竜湯

こんにちは。加藤です。

寒い日が続いています。皆様お風邪などひかれていませんか?

私は水曜日夜、寒い中久しぶりにテニスに行きました。寒くはなかったのですが、なかなか体も暖まらず汗もかかないまま終わりました。

それがいけなかったようで昨日、鼻汁がでてきました。少々のことでは大丈夫なのですが、今回はどうも風邪をひいたみたいです。

さて最近鼻汁が出るような時に私がよく飲んでいる漢方薬は、小青竜湯です。いろいろな症状に対して漢方薬もいろいろ飲んでみましたが、すぐに効果を実感できた薬の一つです。

私にとって(人によっては苦いといわれる方もいます)あまり苦くなく飲みやすく、温かいお湯で飲むと、香りで少しすっきりした気分になります。しばらくすると少し口渇はありますが、鼻汁が減って、鼻づまりの重い感じも少し楽になります。以前はアレルギー性鼻炎でもよく使われたそうです。

皆様も機会があれば試してみてください。

その前に、寒い日がまだまだ続くようですが、私のように長時間寒い中にいるようなことは避けて風邪をひかないようにしてくださいね。

Posted by 2011/01/21

冬の風物詩

 最近2週間ごとに登場していますなりちゃんです。暑い夏には寒い冬が来るといわれますが、本当に寒い日々が続いていますね。皆様風邪などひいておられませんか?

 さて北国生まれの私の冬の風物詩といえば「大雪」がまず頭に浮かびます。子供のころは度々大雪に見舞われ、大人たちが必死の思いで雪かきをしていた思い出があります。まあ私は雪だるまを作ったり、カマクラを作ってもらって大はしゃぎだったのですが・・・ 今週は北陸の大雪の話題がTVで大きく取り上げられていましたが、大阪ではほとんど雪を見る機会がありません。ある看護師さんと話をした際に、「私は一回でいいから雪かきというものをしてみたい」と言っていました。毎年車を動かすのに30分は雪かきをしていた私としては信じられない発言だったのですが、確かに大阪での冬に雪かきというものは存在せず、狭い日本でも地域によって違いがあるのだな~っということを実感できた経験でした。

 今回手術をうけられた患者様の中には、大雪の中自宅に帰られる方もいらっしゃいます。TVM手術後は重いものをもつことは避けていただいているのですが、朝目が覚めて玄関が雪で埋まっていたら・・・ 多くの北国の患者様のため、この寒波が去ってくれることを祈るばかりです。ちょっと思ったのですが、やはり雪かきをいつもしておられる方は骨盤臓器脱になりやすいのでしょうか? 何かの機会に調べてみたいと思います。もし御存じの方がおられたら教えて下さい!

 最近もう一つの冬の風物詩?ともいえるインフルエンザが流行してまいりました。予防接種を受けられている方が多いかと思いますが、予防接種をしたからインフルエンザに罹らないわけではありませんので、皆様うがいと手洗いはしっかり励行していただき、この冬を乗り切っていただきたいと思います。

Posted by 2011/01/20

女性泌尿器科百科(4)女性骨盤底の重要な構造 骨盤底筋群

女性骨盤底のもう一つの重要な構造は骨盤底筋群です。これは女性の骨盤底を支える強靭な筋肉群です。この構造は図のようになっていて、その中心に、膣や尿道、直腸などが通過する穴があることがご理解いただけると思います。

骨盤底筋群
この穴を生殖裂孔と呼び、女性特有の構造であり、骨盤臓器脱になるとこの穴から臓器が下垂脱出することになります。
この骨盤底筋の特徴は、人が起きている間ずっと緊張している、ずっと働き続けているという点です。
その上、さらに急な負荷がかかるとよりいっそう緊張して、骨盤底を強力に支えるのです。
更年期以後女性ホルモンが減少したり、加齢によって骨盤底筋群が弱くなると、朝のうちは緊張させておけるのに、夕方になると、その緊張が緩んで、子宮や膀胱が下垂してきたり、尿失禁が出やすくなったりします。

Posted by 2011/01/18

札幌は冬晴れ

週末、TVM手術の指導に札幌に行った。この季節には札幌までの空路が断たれることもたびたびで、出張も運まかせのところもある。今回幸い往路はOK、手術症例は難しい2例であったが無事終了した。

復路は大丈夫だろうかと心配しながら眠りについた。

翌日、目が覚めたのが8時半、窓の外には朝日に輝く雪化粧の札幌の町があった。昨日までの予報では「暴風雪」となっていて気持ちも暗くなっていたが、朝日を目にするだけで元気が出た。

荷物を空港まで運んでくれるサービスに預けて、雪景色の町に散歩にでてみた。地下鉄南北線で中島公園まで行って、公園を散策した。晴れていると体も温まる。

札幌コンサートホールで2月11日(金)のお昼にオルガンのコンサートを見つけたのでチケットを購入。

池の上も一面の雪である。

さすが札幌と驚いたのは、クロスカントリーのスキーをはいた人がたくさん歩くスキーを楽しんでいたこと。ほんとにたのしそう、うらやましいかぎりである。

帰りの便も予定通りで帰阪した。札幌より寒い。大阪の冬も厳しい。皆様も健康には十分ご留意を。

Posted by 2011/01/16

女性泌尿器科百科(2)女性泌尿器科のキーワードは骨盤底

前回は女性と男性の骨盤内や骨盤底の構造のちがいについてお話ししました。
私は泌尿器科医ですが、私がどうして女性泌尿器科医になろうと考えた原点は何だったのかについてお話ししましょう。

女性泌尿器科のキーワードは骨盤底

私がどうして女性泌尿器科に興味を持ったかと言えば、「尿もれ」に興味を持ったからです。たかが尿もれと言いますがこれが個人のQOL (Quality of Life, 生活の質)を想像以上に悪くしていることがわかったからです。そして「尿もれ」は治る病気であり、治ったときの患者さんの喜びが大きいことがわかったからです。

現在、私の主な診療対象は子宮脱などの骨盤臓器脱の治療に移ってきましたが、「尿もれ」治療が私の女性泌尿器科の原点なのです。なお。骨盤臓器脱も骨盤底の障害からおこる病気という点から尿失禁と非常に関連の深いン病気です。

尿もれ・尿失禁とは?
「排尿する意思が無いのに尿が出てしまうこと」と定義されます。
命に関わりのない症状なのであるけれど、最初に尿もれを経験した時のショックは相当なもの。治る病気であるということや、どこの医療機関に行けば、適切な治療を受けることができるのかなどの情報が無い。家族にも言えず一人で悩む日々、外出することもおっくうになり、旅行に誘われてもその都度断る言い訳を探す。体は元気なのに精神が蝕まれて行く。

尿もれは珍しい症状でしょうか?
女性の尿もれをどれほど多くの方が経験しているのかについて、成人女性の4人に一人は尿もれを経験したことがあるという報告があり、一人で悩んでいる方の非常に多い病気であると考えられます。

尿もれの原因は?
女性の尿もれにはせき・くしゃみの時など、おなかに力が入った時に漏れる「腹圧性尿失禁」と尿を我慢しきれず漏れてしまう「切迫性尿失禁」、そのどちらの症状もある「混合型尿失禁」があり、多くの原因が考えられます。その中で大きな原因として考えられるのが「骨盤底のゆるみ」です。女性の自然史の中で「妊娠・出産」「閉経」「便秘」「肥満」などが骨盤の底を支える筋肉や靱帯を傷める原因となるのです。

この「骨盤底のゆるみ」について次回から、もっと詳しく述べて行きましょう。

今日の言葉:「女性泌尿器科のキーワードは骨盤底」

Posted by 2011/01/14

女性泌尿器科百科(1)女性泌尿器科とウロギネコロジー

私が「女性泌尿器科外来へ行こう」を出版したのが5年前。性差に基づく医療のもっとも必要な科が泌尿器科であり、女性泌尿器科の専門医が求められていると書きましたが、2011年を迎えた今日もその状況は変わっていません。

女性の骨盤内には男性にはない、子宮や卵巣があり外陰部には膣が開口しています。膀胱からの尿を排出するための尿道は3~4cmと短いのに対して、男性の尿道は15~20cmと長く、前立腺という臓器を貫く形で排尿がなされるようになっていて、排尿の仕組みも大きく異なります

泌尿器科はもともと男性の科としてのイメージが強く、実際、多くの泌尿器科医も男性の診察には慣れていますが女性の診察には慣れていないのです。

女性泌尿器科の病気には各種の尿失禁(尿もれ)や子宮脱、膀胱瘤など骨盤の中の臓器が膣から脱出してくる骨盤臓器脱などがあり、男性を診察するのと全く違った考え方をする必要があるのです。

これらの病気は女性の骨盤底の障害によることから、これらの病気の診断や治療にはこの骨盤底についての知識が必要になってきます。女性泌尿器科の専門医には、排尿についての知識に加えて、これら女性骨盤底についての知識が必要なのです。

またこれら、女性泌尿器科の病気は泌尿器科と婦人科の境界領域にあると言えます。婦人科にはウロギネコロジー(泌尿婦人科)という分野があり同じような領域の病気を扱っていますが、どちらの専門医もまだまだ少ないのが現状で、5年前とあまり状況は変わっていません。

5年間で変わった点を挙げれば、テレビや新聞に「骨盤臓器脱」や「尿失禁」のとりあげられることが増え、正しい情報がより多くの人に伝えられるようになったことでしょうか。

Posted by 2011/01/11

1 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 59