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女性泌尿器科百科(10)TVM手術の特長と問題点

TVM手術の特長

(1)どんな骨盤臓器脱でもTVM手術で治療可能
子宮の頚管の延長した症例では頚管を一部切除する必要があることがありますが、ほとんどすべての骨盤臓器脱を治療することが可能です。ですから術者を目指す医師も一つの術式に精通することで骨盤臓器脱のエキスパートになれるという大きなメリットがあると言えます。

(2)原則として子宮を温存することが可能
子宮にがんの疑いがあるなど問題がなければ子宮は温存できます。

(3)子宮摘出後の腟断端脱にはもっとも適した術式
これまで子宮を摘出した後の骨盤臓器脱を治療する方法としては開腹して行うか腹腔鏡下に行うメッシュを用いた仙骨腟固定術という方法が行われてきましたが術式が難しく、一般的には腟を閉鎖する術式が行われてきました。TVM手術を用いると標準的な方法で腟断端脱を問題なく修復することができます。

(4)臓器を摘出することがないので、体の負担が少ない

TVM手術の問題点

まだ新しい手術なので10年超の長期の成績が不明

手術の精度が術後成績に大いに影響する。

精度の低い手術をするとメッシュが引き攣れたりして後に痛みを生じることがある

術後の性生活において痛みが生じる場合があり、術後の性機能に対しての評価が定まっていない。

Posted by 2011/05/19

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