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女性泌尿器科百科(11) TVM手術、術後のQOLと満足度

QOL(quality of life)とは生活の質のことを言います。尿漏れや骨盤臓器脱などの女性泌尿器科の病気は直ちに命に関わることは少ないのですが、「外出をするのがおっくうになった」「下垂してきて気持ちが悪い」「好きなスポーツができなくなった」など生活の質が悪くなる病気です。この生活の質をいくつかの方向から判断するために質問票(アンケート)を用いて回答してもらい点数化して評価するための質問票が作られています。
一般的に、全般的な健康感の調査票として良く用いられるのがSF36(MOS36-Item Short-Form Health Survey)QOL調査票です。8つの領域についての評価が可能です。
図1はTVM手術を受ける前と3ヶ月後の値を示したものです。太字が日本人の標準値を表しています。すべての領域で手術前にはQOLが低下していることがわかります。手術後にはすべての領域でQOLが改善しています。

もう一つのQOL評価に骨盤臓器脱の病気に特異的なことがらに対する質問票(P-QOL)を用いた評価があります。
図2にこのP-QOLを用いた手術の前後の比較を示しました。面積が多いほどQOLが悪いと思ってください。手術の3ヶ月後にはすべての領域でQOLが著明に改善し生活の質が良くなっていることがわかります。

TVM手術の手術満足度を図3に示しました。多くの方が手術に満足されていることがわかります。ちなみに満足されていない方の理由は手術後に尿漏れがあることと手術後に尿が出にくいということでした。

Posted by 2011/05/21

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