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女性泌尿器科百科(3)女性骨盤底の重要な構造 膣ハンモック
ここでは女性の骨盤底の構造についてお話しします。
骨盤の中には子宮、膀胱、直腸などの臓器があり、それを支える骨盤底には二つの重要な構造があります。
ちょっと難しいですが、これからお話ししようとしている子宮脱などの骨盤臓器脱や尿失禁の原因を考える上で必要な知識ですから、是非とも覚えておいていただきたいと思います。
(1)膣ハンモック みなさんは膣の役目は何だと思いますか? 生殖に必要な構造であり、また子供が生まれる時に通って出てくる産道、そうです、その通りです。でも、生殖年齢が過ぎても膣には重要な役目を持っているのです。それは膣は前後の膣壁が合わさって骨盤内臓器を支えるハンモック状になり、骨盤底の中心的な構造を作っているのです。
図1をご覧下さい。

ちょっと難しいのですが、Durancey という婦人科医は膣は上部(level1)、中部 (level2)、下部 (level3)の3つの部分に分けて考え、上部は仙骨子宮靱帯というしっかりした靱帯によって上方に引っ張られています。中部は左右の骨盤筋膜腱弓という骨盤壁の筋肉の一部にくっついて左右に引っ張られています。下部は尿道周囲の組織や骨盤の底に癒合しています。
こうして前後左右にひっぱられて膣のハンモックが作られているのです。
二つ目の重要な構造である骨盤底筋については次回お話しします。

Posted by 2011/01/18

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