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女性泌尿器科百科(5)女性泌尿器科の病気ー膣のハンモックのゆるみによるものー
女性泌尿器科の疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?
女性泌尿器科のキーワードが骨盤底と骨盤底のハンモックであることをお話ししました。
骨盤底のゆるみによる疾患にはつぎのようなものがあります。
デュランシーという婦人科医は膣のハンモックを支持の方向と様態により(レベル1)、中部(レベル2)、下部(レベル)に分けた。それぞれの支持とその不具合によってもたらされる病気についてお話しします。
膣ハンモックの説明
(1)レベル1 上部膣管は仙骨子宮靱帯、基靱帯などと呼ばれる子宮を骨盤内に支持している靱帯によって上の方向に引っ張られています。これらの靱帯が緩んだり切れたりすると、子宮が下垂したり、膣の壁を被って体外に脱出したりします。これを子宮下垂や子宮脱と呼びます。
(2)レベル2 中部膣管は骨盤底の左右の内骨盤筋膜腱弓という筋肉の融合した組織に付着して横方向に引っ張られてハンモックを形成しています。 この膣ハンモックが破綻すると膀胱が脱出する膀胱瘤や直腸が下垂する直腸瘤になります。膀胱が膣から下垂すると「我慢することが難しい強い尿意」を経験する過活動膀胱の症状を高率に来します。
(3)レベル3 下部膣管は会陰膜と呼ばれる構造と癒合しています。尿道を支持する構造を形成していて、これが破綻すると尿道がぐらぐらになり、尿道過可動と呼ばれるタイプの腹圧性尿失禁となります。せきやくしゃみをした時や、座っていて立ち上がる拍子にもれる、下りの坂道を下るともれるなどの症状が出現します。
Posted by 2011/01/28