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女性泌尿器科百科(6)女性泌尿器科の疾患ー直腸がんや子宮がんなどの手術の後遺症ー

膀胱には尿を貯める蓄尿という機能と貯まった尿を排出する排尿という機能があり、この両方がうまく機能することで尿の排泄が生活に支障なく行われる。

これらの機能にはいくつかの神経が関わっていて、これらの協調作用が必要とされる。

直腸がんや子宮がんの手術に際してこれらの神経が大なり小なり損傷を受けると排尿がうまく行かなくなる。

このような膀胱機能に関係する神経の障害による排尿障害を神経因性膀胱と呼ぶ。

(1)症状

尿の排泄がうまく行かないと残尿が多量に残るようになり、いずれ慢性尿閉(いつも膀胱に尿が満タンに貯まっていて自分では排尿することができない)の状態となる。尿が溢れて尿道からちょろちょろ漏れる溢流性尿失禁も経験するようになる。膀胱内の圧が上昇するために腎臓で作られた尿が膀胱に流入することができ無くなる。こういう状態が続くと腎盂や尿管が拡張する水腎症という状態になり、放置すると(腎前性)腎不全になり生命にも危険が及ぶことになる。

(2)治療

治療の目的はまず腎機能の保護を第一とする。膀胱が高圧にならないように抗コリン薬を用いて膀胱を柔らかくして尿が貯まるようにする。その上で残尿が多ければ、自己導尿(カテーテルを用いて膀胱を空にする)を行う。

これにより水腎症の悪化を防止することができる。

Posted by 2011/02/04

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