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間質性膀胱炎を疑う

昨日は梅田ガーデンシティ女性クリニックで一日外来診察でした。

お一方、30歳代の女性の患者さんが、強い尿意切迫感を訴えてこられました。

尿意切迫感とは「膀胱に尿がいっぱい貯まっていないのに、急に排尿したくなる、そして我慢することが難しい尿意」で、膀胱炎にかかったときにはそのような尿意を感じたことがある方も少なくないと思います。

尿を調べても白血球などが多いわけでもなく女性に多い急性膀胱炎ではありません。このような症状を来す病気に過活動膀胱がありますが、この方は他院で抗コリン薬を何種類も投薬されて全く効果がなかったということから、私は間質性膀胱炎を疑いました。

間質性膀胱炎とは膀胱の炎症が粘膜のもう一層深い間質というところに炎症が波及しておこる病気です。

典型的な症状は膀胱に尿が貯まると膀胱に痛みを生じるというものですが、何年もかかって症状がひどくなって行く病気で、最初は頻尿や残尿感で始まることが多いのです。

排尿日誌という、排尿記録をつけてきてもらい、間質性膀胱炎を強く疑えば膀胱鏡検査を行うことになります。

若くして発症して10年、20年と症状が悪化して行く病気です。まだまだ決定的な治療法が確立していませんが、食事の注意や膀胱訓練などで、悪化するのを予防することが大切です。

このかたにも適切なアドバイスができれば良いのですが、まだまだ難しい病気です!

文責 竹山

Posted by 2011/02/08

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