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手術のセンス
今週も多くのTVM手術を施行しましたが、術者のセンスについて考えさせられました。
これまで、自分の部下、研修にこられたDr、他の施設に呼ばれて指導したDrなど数十人に骨盤臓器脱の手術TVMを指導してきました。
その中で、この手術が、視覚のみでなく指の触覚を研ぎすまして行う手術であって、そういう五感というものには、人それぞれもって生まれたセンスというものがあり、また自分で感じて考えて覚えて行く感覚なので教えることはなかなか難しいことがわかってきました。
五感の鈍いDrが数十例の経験をしてもなかなかうまくできない手術ですが、なかにはいとも簡単にエキスパートにしかできない精度の高い手術を会得してしまうDrがいます。
私のところで手術を学び始めたK君を指導していて今週は手術のセンスということを感じた週でした。
真のエキスパートになるにはやはり200例くらいの経験が必要ですが、センスのある術者にはそのもっと先の術式の開発にまで踏み込んでほしいと思うのです。
人体を実験台にしてはいけない手術の現場では、センスのある者だけが術式の開発をおこなえるのですから!
Posted by 2011/03/03