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腹腔鏡下メッシュ手術の雑感
腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)が保険収載されて4か月あまり経過しました。
泉北藤井病院ではこの手術を開始して1年半になり症例数も50例を超えました。
術式は進化し続けてきましたが、安部先生、野村先生、成島先生などの工夫を取り入れながら確実な修復、安全な手技が確立した感があります。今は肥満と高齢者を除けば患者さんにLSCをオプションの一つとして説明しています。
これまでの経験からの雑感を述べてみます。
良い点
(1)骨盤の中から臓器の位置、構造を見ながら手技を進められるので安全、確実である。
(2)比較的若年の患者さんにも優れた修復を享受して頂ける。
(3)子宮や付属器の温存も可能であり、患者さんの希望に沿うことができる。
難しい点
(1)手技は難しいので、剥離、縫合、結紮などの基本手技はドライボックスでくさるほど練習しておくべきである。
(2)肥満の患者さんには勧められない。
(3)まだまだ手術時間が長い(2.5-4時間)ので高齢の患者さんに行うのは難しい。
などです。
以上のように良い手術ではありますが、腟式メッシュ手術(TVM)も優れた手術ですので術式の選択が難しい場合があります。
それぞれの術者が自分の技量の範囲でLSCを選択できるようになるにはドライボックス、あるいは助手として多くの症例を経験する必要があるように思います。
12月にはLSCの研究会が発足する予定と聞いています。より安全な手技の確率のために日本のエキスパートたちの叡智が結集されることを望みます。
Posted by 2014/08/13