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入院してみた!
物心ついてより、全身麻酔下に手術を受けるのは初めて、体にメスが入るのは2年前にESDという上部消化管内視鏡手術以来となる。
今回の病気は私の専門である骨盤臓器脱や尿漏れと同じくQOLにかかわる病気であり、なかなか手術を受けるタイミングをはかるのが難しかったが、私の信頼する腹腔鏡下手術の名医、大手前病院外科部長、T先生の転勤を期に決心した。半年前から休暇枠を決め、予定通り手術を受けた。何か不測の事態がおきたら、多くの方に迷惑をかけることになっていたところであるが、信頼できる術者を選んだので昨日の職場復帰を一度も心配したことは無い。手術を受ける際は良い術者を選ぶことだけが肝要、と再認識。
入院したのは休日だったがT先生は出務されていて手術の説明を受ける。担当の前期研修医Y先生もまじめな方で安心の上にも安心。夜は熟睡したがベッドのマットが硬くて腰痛気味で目ザまた。
手術は午後2時ごろからの予定であったが、T先生が来られて「夜間に絞扼性イレウスの患者が入院して緊急手術となるので」と私の手術は5時頃になるとのこと。
さすがに空腹で仕事をする気にもならず、TVを見ていたら3時半頃に看護師さんが来られて「呼ばれましたよ」と。
手術台に横たわるとすぐに酸素マスクをかけられ、点滴のルートから多分プロポフォールが流し込まれたのか血管痛がして、間を置かず咳き込むのどの違和感、そのまま意識が落ちた。
夢は見なかったか、見た夢をわすれたのか、気がつけば手術は終わっていた。
フォーリーカテーテルが入っているから覚悟はしていたが強い尿意と尿道の痛みがある。看護師さんにお願いして坐薬を入れてもらう。
回復室のベッドはどちらを向いても体がいたくない。空気か水が体を支えている感じである。何度も目覚めて何度も眠った。回りの人たちもこの日の術後の患者さんらしく、確かにみんなつらそうだ。
やっと朝がきて、膀胱のカテーテルを抜去、飛び上がるほどの痛みだ。その後も血尿と排尿痛が続く。泌尿器科医としてはこのまま尿道狭窄になるのではないかと思うほど何日間か排尿がつらかった。
自室に帰り、体を拭いて、昼食から食事開始、むかつきがあるが一応半分摂取。持続点滴を抜去して体はフリーとなる。創は臍と左右の小さな穴のみのはずだが腹痛はそこそこある。ベッドが硬いので結構つらい。むかつきは脳の浮腫があったのだろう、一日中、多尿が続き、むかつきが消えた。
窓から大阪城が見える個室で天守閣が朝は逆光でシルエットに午後からは陽の光に輝く。夜はライトアップされ、大阪の風景も捨てたもんじゃない。
長時間座るのもつらいのでTVばかり見ていた。花子とアンのラストも不倫のドラマの最終回も見てしまった。金曜日にはリンちゃんが見舞いに来てくれた。毎回ありがとう!
腹腔鏡下手術だからといって術後の痛みが無い訳ではないが、発熱も無く、重症感は無かったが2日間は貴重な体験だった。排尿痛以外は想定内の入院だったが、患者さんの不安や痛みが少しわかったような気がする。
週末には早速、東京出張である。素晴らしい術者のT先生に感謝!
Posted by 2014/09/30