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アメリカ式LSCー子宮脱が主の骨盤臓器脱にー
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)の単一術者としての症例数は190症例を超えた。
昨年10月のIRCAD研修の後はtotal repairとしてのdouble mesh LSCを基本にして、1例1例症例を積み重ねてきたが、子宮脱が主のご高齢の方、あるいはTVMAP後の子宮脱の再発の症例には、Delancey のLevel 1 のみを修復する目的のアメリカ式LSCを行っているのでその印象を述べる。
フランス式LSCでは直腸と後膣壁との間を剥離し肛門挙筋にメッシュを固定、膀胱と前膣壁との間を剥離し、膀胱頸部側は外尿道口から2cmぐらいのところにメッシュを固定するのだが、アメリカ式では子宮頸部断端まわりの腹膜を剥離してにメッシュを固定する。
これまでわずか5−6例の経験に過ぎないが、症例を選べばなかなかいい術式である。術式の詳細については拙著「LSCテクニック」に名手、成島先生の術式が掲載(動画付き)されているので参照されたい。
ご高齢の方には手術時間が問題となるが、丁寧に施行しても1時間45分くらいで終了する。しかも仕上がりは非常に自然で、これから適応症例が増えるのではないか。
アメリカ式でもやはりdouble mesh がおすすめでバランス良い仕上がりになるようだ。
もう少し症例を増やして詳細をほうこくするが、子宮のみが下垂しているPOPやTVM術後の子宮脱再発には第一選択の手術ではないかと思っている。
Posted by 2016/05/15