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尿失禁2
こんにちは。
今日はかなり前に書いた尿失禁の話の続きを書こうと思います。
「知らぬ間に漏れる」ということで気をつけなければいけない疾患の一つが「膀胱腟ろう」です。これは膀胱と腟の間に孔が空いて膀胱内の尿が腟からでてきてしまう疾患です。まれに腎臓でできた尿を膀胱に運ぶ尿管と腟の間に孔が空いてしまう「尿管腟ろう」という疾患もあります。どちらにしても腟は尿道のように閉めることができないので絶えず尿がでてきてしまいます。
発展途上国などでは分娩時の損傷が原因でおこることも多く、若い女性で悩んでおられる方も多いと聞きます。
日本では分娩でおこることはまずなく、子宮がんの手術や放射線療法を受けられた方、良性疾患で子宮摘出術の手術をされた方が多いです。
診断は腟から尿がでていることを確認をすることです。腟にたまっている液体が尿かどうかを見るためには膀胱内にインジゴカルミン(青色の色素)を入れてみて、腟から出てきたらおこっている場所も含め診断がつきます。
治療は小さければ尿道カテーテルを挿入し膀胱を膨らまさないようにしていてしばらく様子をみたり、アロンアルファ(医療用)を孔に注入し塞いだということもありますが、基本は手術になります。
内診して確認すればすぐに診断がつく病気なのですが、日本では数も少ないのですぐにこの疾患を疑うことはなく一般的な切迫性尿失禁や腹圧性尿失禁の治療をあれこれ受けられていて最後に見つかったというケースも多いと思われます。
婦人科の手術を受けておられる方では注意したい疾患です。
本日はここまでです。
次回は他の疾患について書きたいと思います。
急に暑くなってきています。皆様 体調には十分気を付けてください。
加藤
Posted by 2016/05/19