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腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)の進化について
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)の私個人としての執刀数が239例となりました。
糸を用いるメッシュの縫合固定(アンカリングと言います)箇所はメッシュの美しい展開と再発予防のために次第に増加し14箇所となりました(それだけ縫合に時間がかかる)。
最近では、さらにメッシュの後腹膜化(メッシュが腹腔内に出ないように埋め込むこと)の方法が簡便な一括巾着縫合から、少々複雑ではあるがより繊細な、後膣メッシュをまず覆うようにダグラス窩を閉じる方法(名鉄病院の成島Drから学んだ)へと進化しました。
手術時間は120〜150分とかなり短縮しましたが、手間のかかる手技がどんどんと追加されるので、これ以上は短縮できそうにはありません。
腹腔鏡下手術は一人でできるものではなく、助手とのチームワークがうまくとれて初めてスムーズによい手術ができる、そういう術式なので、助手の力量で手術の質も時間も変わってきます。
第一東和会病院では、私が執刀する手術には鍬田Drか加藤Drが助手を務めてくださいますが、二人とも独立した術者としても多数のLSCをこなしており、助手としての技量も大したものです。
私がストラスブール(フランス)のトレーニングセンターであるIRCADに学んでほぼ1年になりますが、その術式を基礎としてより洗練された術式(和式LSC)を作り上げてきました。
まだまだ一例一例に気付きの連続で経験値が上がるのを実感しています。
今開発中のメッシュ後腹膜化の方式が定まったら、和式LSCも精度の一段高い術式として、中長期の成績の蓄積に入ります。
もう一点、おこがましいかもしれませんが、このLSCを本気で学びたい術者の方、半年でも一年でも研修に来ていただきたいと思っています。
ダグラス窩を閉鎖したところのフォトを添付します(患者さんの了解済み)。
Posted by 2016/09/23