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大晦日に思うー2106年の骨盤臓器脱治療ー
2016年も残すところ数時間となりました。
第一東和会病院・女性泌尿器科ウロギネコロジーでの主な出来事を振り返ってみたいと思います。
まず手術数は合計627件と当初の計画数600件を超えました。
中でも腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)の適応が次第に広がり、BMI25程度までの肥満気味の方や、年齢も75歳までの方でも他の条件が許せばLSCを行うこともしばしばあるようになりました。
今年のLSC手術数は137件となり、ほとんどの症例でトータルリペア・ダブルメッシュ15ポイント結紮という手間を惜しまない術式を採用しているのにかかわらず、平均手術時間は2時間46分と3時間を切っています。
術者3名ともに手技が上達しました。やはり数は力です。
経膣メッシュ手術(TVM手術)においては前膣メッシュの4本の脚のうち、前脚2本が必要なし、ということがわかり、前脚が2本のTVM~A2という術式に変わりました。これはけっしてsmall mesh ではなくてプロリフト型のメッシュとコアの部分の大きさは変わっていません。とてもよい手術であることがわかってきました。
膀胱瘤に対するTVM-A2手術を今年は350例行っていますが平均手術時間は33分です。ここでも数は力です。
手術以外では、今年7月から骨盤底リハビリ外来を開設したことが特筆されます。
今まで骨盤底の障害や緩みからくる骨盤臓器脱の軽度の方、腹圧性尿失禁や過活動膀胱でお困りの方に、骨盤底筋体操のパンフレットをお渡しして、自分でしてもらうことが多かったのですが、自分で感覚をつかむことはなかなか難しく、また2カ月程度頑張らないと改善が見られないので、モチベーションが続かず、効果のない方が多かったのです。
女性の理学療法士お二人に骨盤底リハビリの研修を受けてもらって、7月に骨盤底リハビリ外来を開始したところ、多くの患者さんから好評をいただき、予約がいっぱいの状況が続いています。来年は成績を学会で発表できると思います。
新年のスケジュールとしては、元患者の会「ひまわり会」と共催で2月には電話相談キャンペーン、3月には市民公開講座とまず、情報提供から始まります。
新年も多くの患者さんによい生活をお届けしたいと思っています!
Posted by 2016/12/31