尿失禁・骨盤臓器脱などの女性骨盤底疾患を主な対象とした女性のためのサイトです。

第一東和会病院 女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンターへようこそ

●女性科外来(漢方を中心にして)

第一東和会病院 女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンターでは漢方を中心にした女性のための外来を開設しています。東洋医学と女性の体について述べてみましょう。

 担当 加藤稚佳子

東洋医学

現代西洋医学と東洋医学とでは考え方に大きな違いがあります。現代西洋医学では検査をして異常な数値やそれがある場所を見つけ病名を決定しそれに基づいて治療をします。一方東洋医学では「陰陽虚実」「表裏寒熱」「気血水」「五臓六腑」など独特の概念があり、隋証治療をしていきます。そのため漢方では同じ病気でも人によって処方が違うことがあります。そして、漢方の基本的な考え方は、人が持っている病気を治す力を高めることです。誰もがもともと持っている病気と闘い、治す力(自然治癒力)を高め、身体を整えることを基本としています。また、病気になる前にその兆しを見つけて、病気が顕在化するの前に防ぐということも東洋医学では可能です。病後や高齢者の基礎体力の低下、からだのバランスを回復させるなどのことも東洋医学では可能です。

よく使われる「証」と「気血水」を紹介します。
虚証・・・体力が低下している状態
実証・・・体力がある状態
気・・・生体をめぐっているエネルギー
血・・・血液とその働き
水・・・無色の液体(汗やリンパ液など)とその働き

漢方薬とは

漢方薬とは、数千年にわたる効き目や安全性に関する長い経験に基づいて、天然物である生薬(薬草の根や茎、葉などの有用部分を乾燥させたものや動物由来のもの、鉱物など)を2種類以上組み合わせた薬です。生薬そのものの効果はもとより、数種類組み合わせることにより、生薬そのものの効果以外に新たな効果ももたらされるようになります。そうすることにより多様な症状に使用できます。 「湯剤」「散剤」「丸剤」などが古くからありましたが、最近ではエキス剤が登場し簡易なため東洋医学の専門外来や漢方薬局以外ではエキス剤が多く用いられています。現在エキス剤だけでも150種類以上あり、煎じ薬などではさらに多くの処方が使われます。

女性のからだ

性差医療というのをご存知ですか?
“膠原病は女性が多い”など男女比が圧倒的に違う病態があったり、心筋梗塞など女性と男性では発病時期が違ったり、ということで性別なども考慮し医療を行うことです。
女性特有の病態を考える時に影響を与えているものの1つには女性ホルモンがあります。閉経時におこる更年期障害などはそれのよい例です。それ以外にも初経時、妊娠、分娩時、毎月の月経など女性ホルモンによっておこる変化は、冷え、肩こり、いらいら感、不眠などがあり、どこが悪いとはっきり定義ができないこのような病態は西洋医学では「不定愁訴」や「自立神経失調症」といわれ、あまり治療をされてきませんでした。
東洋医学では、体のバランスを整えるという概念からもこのような症状を改善するのに効果を発揮します。日本人女性の平均寿命が85歳を超え、閉経後30年以上過ごす女性にとって何かしら体調が優れないということがあると思います。そのような女性にとっても漢方治療はなくてはならないものになっていくでしょう。

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