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●女性の尿失禁
1.腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみのとき、走ったり、階段を下りるとき、また重いものを持ち上げるときなど腹圧がかかる 動作をしたときに、不意に尿が漏れる状態をいいます。
出産経験がある人(特に2人以上)
肥満の人 によく見られ、更年期や閉経以降など、女性ホルモンの減少に伴い、症状がひどくなります。

腹圧性尿失禁は、骨盤底の筋肉が弱まり尿道を支えられなくなることが原因でおこります。

  • 1) 内尿道括約筋機能不全
    尿道の入口にある尿道を閉める働きのある内尿道括約筋の緊張低下の場合

  • 2) 尿道過可動
    尿道を支える組織が弛緩したために、急に腹圧が上昇し膀胱内の圧もたかまったとき尿道をしめつけるはたらきがうまく作動せず尿漏れがおこる場合 があります。

尿過可動

2.切迫性尿失禁(過活動膀胱)

切迫性尿失禁とは、トイレに行きたいと思ったら我慢しきれずもれる。水に触れたり水の音を聞いたりするともれるタイプ

神経因性(神経に障害のある場合)
脳梗塞、パーキンソン病等排尿筋過反射によるもの

非神経因性
原因は骨盤底の緩みなど種々のもの

また、膀胱の過活動性により膀胱の排尿筋が収縮しやすくなってもれるものなので、ほかにも膀胱炎、膀胱結石、膀胱癌など膀胱刺激症状を有する疾患でも同様の症状があるので、注意が必要です。

3.混合型尿失禁

腹圧性と切迫性の両者の症状を併せ持つタイプの尿失禁です。閉経期以後に発症する尿失禁は、このタイプが多いことが特徴です。

切迫性尿失禁(過活動膀胱)

4.診断
  • 1)問診
    尿もれの状態(いつ、どんな時に、どれくらい)を問診
    ・過活動膀胱の診断目的でOABSSをつける

  • 2) 検尿
    ・膀胱炎など尿路感染症の有無
    ・膀胱癌など尿路悪性腫瘍の有無
    ・膀胱結石の有無 を調べます。

  • 3) 腎臓
    ・膀胱の超音波検査
    ・腎臓・膀胱の大きさ
    ・尿路結石の有無
    ・尿の通過状態
    ・膀胱内の残尿の有無 等を調べます。

  • 4) パッドテスト
    ・検査前にパットをあてて、一定の決められた軽い運動を約1時間かけて行います。
    ・検査終了後の尿失禁の量で、重症度を判定します。

  • 5) 膀胱機能検査
    ・膀胱や尿道の圧力、尿道周囲の筋肉の働きなどを調べ、排尿機能の働きを調べる重要な検査です。

  • 6) 尿流測定
    ・尿の出方や勢いを調べる検査です。
    ・検査用の洋式トイレで普通に排尿していただき、検査を行います。

  • 7)残尿測定
    ・排尿後の膀胱内の残尿の有無を確認します。

  • 8)鎖膀胱造影(チェーンCG)
    ・膀胱の形態や排尿時の膀胱の状態を確認する検査です。
    ・膀胱内に鎖(チェーン)を留置し、造影剤で満たしてから、膀胱の形・尿道との位置関係を、立位安静・腹圧時にレントゲンで撮影します。

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