トピックスブログ
日本排尿機能学会報告
12月6日から8日まで東京で開催された日本排尿機能学会に行ってきました。発表はTotal repair LSC の方法と実行可能性に関する発表で、ポディウムポスターという面倒なセッションに回されてしまい、ポスターを作らないといけないし、3分間のパワーポイントでの発表もしないといけない。動画で解説したいところができずに不完全燃焼でした。
8日には日程がかぶって横浜で開催された日本内視鏡外科学会のワークショップでゆっくり動画で発表する機会がありましたが是非LSCを目指す泌尿器科の先生方に伝えたい内容だったので少し残念でした。
POPに関してはあまり目新しい発表もなくてさびしい学会でした。
Posted by 2016/12/12
「骨盤臓器脱って?」市民公開セミナー報告 大阪
昨日は大阪梅田で市民公開セミナー「骨盤臓器脱って?」が開催されました。
ひまわり会会長の挨拶とひまわり会会員さんの体験談に続き私が基調講演、理学療法士の保科さんの骨盤底リハビリ外来の紹介も含めてお話ししました。
続いて杉山朋子さんのアイリッシュハープの弾き歌い、いい雰囲気でした。
そして管理栄養士、村田先生の食の話が終わった後、QアンドAコーナーと続きます。
お困りの方から切実な相談が寄せられ、何人かの方のお役に立ててよかったな、と思う瞬間です。
Posted by 2016/11/13
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(12)
前後メッシュを統合した後、メッシュが腹腔内に露出しないように腹腔の内張りである腹膜という膜で覆います。
その途中でメッシュの脚を岬角という部分の前にある前縦靭帯というしっかりした組織に縫合して子宮頸部や膣壁を挙上した位置に固定します。左の図で糸がかかっているところが岬角です。右の図は腹膜でメッシュを覆った様子です。
Posted by 2016/11/08
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(11)
前壁メッシュ、後膣メッシュ、子宮頸部の統合
次に後膣メッシュと前膣メッシュを統合します。
後膣メッシュは脚の不要部分を切除した後、子宮頸部にもしっかり針を通して3-4針用いて統合します。
図は上からと下から見たメッシュ統合の様子です。メッシュが綺麗に展開されて広がっていると、後からメッシュが露出してきたり、再発したりするリスクが少ないと考えています。
Posted by 2016/11/07
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(10)
前膣壁と膀胱間の剥離と前壁メッシュの遠位端の固定
前膣壁と膀胱の間はできるだけCO2ガスを有効に使いながら鋭的、および鈍的剥離を進めると、膀胱頸部近くまで到達できる。メッシュの縫い付けは非吸収糸3針以上を用いて膣壁にしっかりと固定する。私の施設ではテフデッサーという非吸収糸を用いて6針固定しています。
Posted by 2016/11/06
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(9)
後膣壁と直腸の間の剥離とメッシュの貼り付け
子宮頸部の断端を縫合した糸を用いて子宮断端を吊り上げた後、後腹膜を岬角の切開創を骨盤底方向に延長し、さらに骨盤の底で膣の壁と直腸の間を剥がしていきます。
炭酸ガスの力を上手に使うと、綺麗に剥がすことができますが、この剥離という操作に術者による技量の差が出るところです。
十分剥がした後に直腸の左右の骨盤底の筋肉にメッシュの左右の端を固定します。それをアンカリングと言います。メッシュのもう一方の端は吊り上げた子宮の断端に仮止めしておきます。
Posted by 2016/10/31
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(8)
仙骨前面の前縦靭帯というしっかりした靭帯にメッシュの脚を固定できることが確認できたら、LSC手術を続行します。
患者さんに子宮温存の希望がなければ子宮の体部を切除します。閉経後10年以上経過していれば卵巣も切除することをお勧めします。
子宮頸部はメッシュを固定するアンカリングポイントとして重要なので残します。また子宮を全部摘除した後LSCを施行すると、メッシュが膣から露出するリスクが高いことがわかっています。
どちらにしても子宮頸がんと体がんのないことを術前に確かめておきます。
子宮には膣部からマルチン単こうを2本とへガールを使用したマニピュレーターを膣部から助手に操作させて、子宮切除の手技をを補助してもらいます。
切断された子宮膣部は縫合して、その縫合糸を特殊な器具を用いて腹部の創外に引き上げて子宮断端を引き上げ、後膣の剥離操作が容易にできるようにしておきます。
Posted by 2016/10/17
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(7)
LSC手術の実際(2)
LSCではメッシュのアンカリングポイントの一つが第5腰椎の前面にある前縦靭帯と呼ばれる靭帯ですが、その靭帯の上面には図のような左右の総腸骨動脈や左総腸骨静脈などの大血管や正中仙骨動静脈が走っており、下腹神経もあり、しかもこれらの構造物は脂肪組織に覆われています。
前縦靭帯に針糸をかけることができなければLSCは完遂できませんから、まずこの部分を剥離して前縦靭帯を露出して針糸をかけることができることを確認しておいてからLSCを開始します。
Posted by 2016/10/03
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)ノート(6)
LSC手術の実際
麻酔は全身麻酔で行います。
術野の作成について
ポートの作成: IRCAD方式のポート配置は図のようになります。
術者は患者さんの左に立ち鉗子を操作します。
まず臍あるいはその周辺から内視鏡を挿入するトロアカールという筒状の器具を挿入します。これをカメラポートと呼びますが、このカメラポートを挿入する方法にも直視下に切開して腹腔内に器具を入れる方法や内視鏡で見ながら挿入する方法などがありますが、安全性を重視して、私は直視下に入れるダイレクト法を用いています。
このポートから腹腔内に炭酸ガスを注入して腹腔内を膨らませます(これを気腹すると言います)。
次に内視鏡で腹腔内から観察し、癒着の有無、その他の異常の有無につきチェックします。 腹腔鏡下手術が可能であると判断したのち、内視鏡で腹腔内から観察しながら、残りの3つのトロアカールを挿入します。
次に患者さんの体を頭低位という、頭をさげた形にして手術を開始します。手術を行うに際して最も大切なことは、手術が行いやすい場所(術野と言います)を作ることです。
まず頭側を下げることにより、小腸を上腹部に移動させ、次にS状結腸を患者さんの左側の腹壁に釣り上げて、手術を行う部分が良く見えるようにします。
Posted by 2016/10/02
北海道旅行ブログー上野ファームと北彩都ガーデンー
今週は北海道で旭川と札幌で手術の指導を行いましたが、手術前の午前中、また上野ファームに寄ってきました。
上野ファームは倉本総のTVドラマで有名になった「風のガーデン」や「大雪森のガーデン」などを手がけた有名なガーデナー、上野砂由紀さんの実家の庭を公開されているイングリッシュガーデンで、シーズン中はいつも観光客で賑わっています。
季節、季節で素晴らしい景観を作り出していて、昨年新たに追加された「ノームの庭」もすっかり成熟して、公開当初から知っているので、なるほどこうやって植えればこのようになるのだと教えられること満載です。
射的山という小高い丘を通ってノームの庭に下ることができるようになり、まだまだ整備が進んでいくのだと期待しています。
旭川に出張する際、シーズン中には上野ファームが10時開園なので、その時間に行って、1時間ほど花園を楽しんで、それから北彩都病院で手術指導をすることにしています。
今回、開園直後、憧れの上野砂由紀さんがおられたので、お願いしたら気さくにツーショットで写真に収まってくださいました。素敵な方ですね。
ノームの庭は秋色、咲き誇るアスターでしょうか?
こんな遊び心も!
旭川駅の裏に最近できた「北彩都ガーデン」も少しずつ整備が進み、美しい水辺の景色も出現してきました。ここも上野砂由紀さんの監修です。
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上野ファームの営業は10月16日までなので、次回来られるのは来年5月ごろでしょうか、今年もたくさんの花と景色を有難うございました。
Posted by 2016/10/01